建設業許可の更新は何年ごと?期限・決算変更届・期限切れ
建設業許可には有効期間があり、更新を受けなければ期間の経過によって効力を失います。さらに、更新とは別に毎年提出する届出があり、これを溜めると更新のときに困ります。この記事では、条文で日付の根拠を確認したうえで、何をいつまでにやるのかを整理します。
更新は何年ごと?──有効期間は5年
(建設業の許可) 第三条 3 第一項の許可は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
(建設業法第3条第3項)
「更新しないと更新できなくなる」ではなく、期間の経過によって効力を失うと書かれています。更新を忘れた場合、許可は自動的になくなります。
更新の申請はいつまで?──満了日の30日前まで
申請の期限は法律ではなく、施行規則に定められています。
(許可の更新の申請) 第五条 法第三条第三項の規定により、許可の更新を受けようとする者は、有効期間満了の日の三十日前までに許可申請書を提出しなければならない。
(建設業法施行規則第5条)
つまり、実務上動かせない締切は満了日ではなく、その30日前です。満了日を手帳に書いていると、30日足りません。
30日前を過ぎたら
条文は「三十日前までに提出しなければならない」と定めています。これを過ぎた場合の取扱いについては、条文に明文がありません。実際の受付の可否は行政庁の運用によります。詳細は許可を受けた行政庁にご確認ください。
申請中に満了日が来た場合
4 前項の更新の申請があつた場合において、同項の期間(以下「許可の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の許可は、許可の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。
(建設業法第3条第4項)
申請さえ済んでいれば、審査が満了日に間に合わなくても従前の許可は生き続けます。逆にいえば、申請が済んでいなければこの規定は働きません。
更新後の起算日
5 前項の場合において、許可の更新がされたときは、その許可の有効期間は、従前の許可の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
(建設業法第3条第5項)
審査が満了日をまたいでも、新しい有効期間は従前の満了日の翌日から始まります。審査に時間がかかった分だけ後ろにずれるわけではありません。次回の満了日は5年後の同じ日付になります。
決算変更届の期限は「事業年度経過後4か月以内」(毎年)
更新とは別に、毎年提出するものがあります。
(変更等の届出) 第十一条 2 許可に係る建設業者は、毎事業年度終了の時における第六条第一項第一号及び第二号に掲げる書類その他国土交通省令で定める書類を、毎事業年度経過後四月以内に、国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。
(建設業法第11条第2項)
実務で「決算変更届」「決算報告」と呼ばれているものです。毎事業年度経過後4か月以内という期限が条文にあります。決算月が3月なら7月末、9月なら翌年1月末が締切です。
同条第3項にも4か月以内の届出があります。
3 許可に係る建設業者は、第六条第一項第三号に掲げる書面その他国土交通省令で定める書類の記載事項に変更を生じたときは、毎事業年度経過後四月以内に、その旨を書面で国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
(建設業法第11条第3項)
5年に1度ではなく、毎年ある
ここが管理の要点です。更新は5年に1度ですが、決算変更届は毎年あります。5年間で5回。これが溜まっていると、更新申請のときにまとめて出すことになります。
変更があったときは30日以内
第十一条 許可に係る建設業者は、第五条第一号から第五号までに掲げる事項について変更があつたときは、国土交通省令の定めるところにより、三十日以内に、その旨の変更届出書を国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。
(建設業法第11条第1項)
商号や営業所の所在地などが変わったときの届出です。30日以内で、決算変更届の4か月とは期限が違います。
なお、営業所技術者が置かれなくなった場合などは2週間以内(同条第4項)、許可の基準を満たさなくなった場合なども2週間以内(同条第5項)と、さらに短い期限が定められています。
期限切れ(失効)になると何が起きるか
許可が失効した状態で、軽微な建設工事以外を請け負うと、無許可営業になります。
第四十七条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 一 第三条第一項の規定に違反して許可を受けないで建設業を営んだとき。
(建設業法第47条第1項第1号)
同条第2項により、情状によって拘禁刑と罰金を併科することもできると定められています。
失効した場合、更新ではなく新規の許可を取り直すことになります。新規申請では、更新申請では省略できる書類(施行規則第4条第6項が省略を認めている書類)も出すことになります。
期限管理の実際
条文から出てくる日付を並べると、管理すべきものは次のとおりです。
| 何を | いつまでに | 根拠 |
|---|---|---|
| 更新申請 | 有効期間満了の日の30日前まで | 建設業法施行規則 第5条 |
| 決算変更届 | 毎事業年度経過後4か月以内(毎年) | 建設業法 第11条第2項 |
| 変更届(商号・所在地など) | 変更から30日以内 | 建設業法 第11条第1項 |
| 営業所技術者の変更など | 2週間以内 | 建設業法 第11条第4項・第5項 |
管理のうえで押さえておく点が3つあります。
- 記録するのは満了日ではなく、その30日前。 満了日だけを控えていると、実際の締切を30日過ぎています。
- 決算変更届は毎年。 事業年度ごとに繰り返すため、更新の期限とは別に持つ必要があります。
- 有効期間の満了日は許可通知書に書かれています。 「許可を受けた日から5年後」と自分で計算せず、通知書の日付を写してください。
依頼者ごとに、許可の満了日と決算月の2つを控えておけば、上の表はすべて日付に落とせます。
本記事の法的根拠の確認状況
参照した条文
| 内容 | 条文 |
|---|---|
| 有効期間5年・更新しなければ失効 | 建設業法 第3条第3項 |
| 申請中に満了日が来た場合 | 建設業法 第3条第4項 |
| 更新後の有効期間の起算 | 建設業法 第3条第5項 |
| 更新申請は満了日の30日前まで | 建設業法施行規則 第5条 |
| 決算変更届(毎事業年度経過後4か月以内) | 建設業法 第11条第2項 |
| 記載事項の変更の届出(同4か月以内) | 建設業法 第11条第3項 |
| 変更届(30日以内) | 建設業法 第11条第1項 |
| 営業所技術者の変更など(2週間以内) | 建設業法 第11条第4項・第5項 |
| 無許可営業の罰則 | 建設業法 第47条第1項第1号・第2項 |
| 更新申請で省略できる書類 | 建設業法施行規則 第4条第6項 |
確認先
確認できなかったこと
- 30日前を過ぎて申請した場合の取扱い。 条文に明文がなく、行政庁の運用によるため、受付の可否について書いていません。
- 更新申請を受け付ける期間の始まり(何か月前から出せるか)。 条文で確認できませんでした。行政庁ごとの運用と考えられるため、書いていません。
- 有効期間の満了日の具体的な計算方法。 「許可のあった日から5年目の応当日の前日」といった説明を見かけますが、その計算方法を定めた条文を確認できなかったため、許可通知書に記載された日付を使うようにと書くにとどめています。
- 更新手数料の金額。 国への手数料と都道府県への手数料で異なり、一次情報で全国の金額を確認できなかったため、金額を書いていません。
これらは許可を受けた行政庁にご確認ください。
監修について
この記事は行政書士有資格者の監修を受けていません。条文に当たって書いていますが、実務上の判断や個別の事案への当てはめは確認されていません。
事件簿クラウドなら、この記事の内容が2分で終わります。無料で10件まで。
法定の項目がそろった事件簿がブラウザで書けて、許可の更新期限は自動でお知らせします。 パスワードもクレジットカードも不要です。